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けたるっちの自転車奮闘ブログ

トレーニングとレースとリハビリの記録。

相動性伸張反射がペダリングに与える影響

伸張反射を利用して最小限の力で走るという考え方があるが、実際にペダリング中に伸張反射は起きるのか、起きるとしたら本当にペダリング効率を高める方向に働くのかという疑問について。

 

伸張反射とは,筋が受動的に引き伸ばされると,その筋が収縮する反射をいいます。この反射は生体のなかで唯一の単シナプス反射で,感覚受容器(筋紡錘)から生じた情報が,求心性の感覚ニューロン(Ia感覚ニューロン)から脊髄(反射中枢)へ,脊髄から遠心性の運動ニューロン(α運動ニューロン)へ伝わり,筋を収縮させます。

 

伸張反射が起きるのは筋肉が緊張していない(脱力している)状態で他動的に素早く伸ばされた時。
例えば、急に後ろから背中を押された時、転んで怪我をしないよう、中枢神経は筋肉を収縮させるよう指令を出す。

伸張反射による筋肉の収縮速度は自発的な収縮速度に比べて速く、また、脳を介さないので自分の意思でコントロールする事はできない。

反射は身体を守るため、姿勢を維持するための大切な機能だが、過剰な反射は円滑な動作の妨げになってしまう。

そのため、本当に必要な時以外は反射が起こらなよう、中枢神経によって抑制されている。

 

しかし、自分のように中枢神経になんらかの障害(上位運動ニューロン障害)が起きて反射が亢進すると、通常ではスルーされるような軽い刺激でも簡単に伸張反射が起きてしまう。

反射の亢進によって起こる伸張反射には相動性伸張反射と緊張性伸張反射の2種類があるが、自分の場合は筋が伸張された初期にのみ起こる相動性伸張反射。

このブログの中で何度も書いている痙縮とは相動性伸張反射の事である。

 

ちなみに緊張性伸張反射とは筋が伸張されている間、持続して起こる収縮の事。
固縮とも言う。

 

昨年11月から悩まされている異常なペダリングは、相動性伸張反射が原因。

 

通常の回転数ではもちろん、50rpm程度の低回転でも起きてしまうのだから本当に厄介な障害だ…

 

以前紹介したペダリング動画を細かく分析してみた。

 

先ず、右足が下死点にある時。

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股関節から下がほぼ脱力しており、下腿三頭筋、大腿四頭筋が適度に収縮している状態。

 

次に8時の位置。

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この時点では足首の角度にはまだそれほど変化はなく、大腿四頭筋もまだ軽く収縮している状態。

 

9時前後

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ペダルが垂直方向へ加速して足首が背屈、下腿三頭筋が伸ばされ伸張反射のトリガーとなる。

 

10時

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画像のブレ具合からもその激しさが分かるが、伸張反射により下腿三頭筋が強烈なスピードで収縮。
同時に大腿四頭筋が急激に伸ばされる。

 

11時

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大腿四頭筋の伸張反射で足が前方に蹴り出される。

蹴りだされる速度はクランクの回転速度より遥かに速いため、クリートによって固定されている足先ではなく足首が前方に押し出され、地面に突き刺さるほどの角度まで踵が跳ね上がる。

この時、下腿三頭筋は極限まで収縮し、大腿四頭筋には異常な突っ張り感が生じる。

この反射が上死点を越える際の大きな抵抗となり、最もひどい時はここで回転がピタリと止まる。

 

 

以上のように、下腿三頭筋と大腿四頭筋の伸張反射がペダリングの障害になっているのが現状だ。

下腿三頭筋の反射が起きないように踵を高く上げる意識で回すと、より強い大腿四頭筋の伸張反射が起こるので結果は同じ。

特殊なペダリングをしない限り、アップストローク時の伸張反射は避けられそうもない。

それについては色々と試しているところで、有効な方法が見つかればまた書こうと思う。

 

 

正常な人ならこのような伸張反射は起きないが、正常でない自分でも9時から11時の間でしか伸張反射は起きていないと思う。

伸張反射が起こるには他動的かつ急激に筋肉が伸ばされる事が必要だが、ペダリング運動でその条件を満たす事は難しいのではないだろうか。

 

比較的起こりやすいと思われる9時〜11時の下腿三頭筋と大腿四頭筋の伸張反射をスルーして、0時〜3時に何らかの筋肉の伸張反射を起こす事が可能なのだろうか。

可能だとしても、急激な速度で起こる筋収縮を円滑な回転運動に変換することなど出来るのだろうか。

 

以前は自分も大臀筋とハムストリングの伸張反射をペダリングに利用できると信じていたが、望まずしてペダリング時の伸張反射を体感できるようになった今、その理屈にはいくばくかの疑問を抱かざるを得ない。

実際どうなのかは素人の自分に分かるはずもないが、この数ヶ月間の悪戦苦闘や専門家からのアドバイスをあれこれ頭の中でこねくり回して考えてみたが、どうしてもピンとこないのである。